天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
「あら、ここにいらっしゃる皆様がご存じのことですわよ?」

 アマリリスの言葉にダーレンの視線は周囲をキョロキョロと見回した。概ね自分と同じ反応でホッとしたのも束の間、続いたアマリリスの毒舌に言葉を失う。

「それに皆様物足りませんでしたので、いいタイミングでしたわ。一番器が小さくてつまらなかったのはダーレン様ですけれど。本日はちょうど伯父様もいらしてるので、このまま冴えないおふたりで婚約でもなんでも結べばよろしいわ。私、もう疲れたのでこれで失礼いたします」

 アマリリスは思いっ切り冷めた視線をダーレン様に向け、そのまま会場を後にした。
 ダーレンは怒りのあまりなにも言えず、その鬱憤(うっぷん)をエイドリックへぶつけ、アマリリスの厳しい処罰を求めたのだった。



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