天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
「其方の能力を使って、()()()()()()()()()()()()()()()を捕まえてほしい」

 つまり、王太子ルシアンを餌にして、大物を釣り上げろということだ。国王はそれを眉ひとつ動かさずアマリリスに命じた。

(なるほど、ルシアン様の父親だけあるわ。この事態に取り乱すどころか反乱分子を炙り出そうとするなんて………)

 ルシアンの気質は、おそらく王家で脈々と受け継がれてきたものだろう。だからこそ、カレンベルク王国は発展を遂げてきたのかもしれない。

「承知いたしました。私も大切な婚約者に手を出されて黙っている気はありませんでした。必ずや、犯人を突き止めてみせましょう」

 アマリリスは艶然と笑みを浮かべた。



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