天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
(フランシルめ……私が療養している間はおとなしくしていろと言ったのに、好きにやりおって……!)
沸々と込み上げる怒りでエイドリックは険しい表情になっていく。
ガラス張りのサンルームはいろとりどりの花に囲まれ、上品な香りが鼻先を掠めた。いつもならこれで眉間の皺が取れるのだが、今日ばかりはそうはいかない。
「あら、体調はよくなったの?」
「フランシル……お前、私が言ったことを理解していなかったのか?」
「ええ? なによ、そんな怖い顔して」
「私が療養している間は屋敷でおとなしくしいろと言いつけたであろう!!」
「夜会には参加しないでおとなしくしていたでしょう!?」
「毎日のように茶会に出かけていたのに、どこがおとなしいというのだ!?」
エイドリックはヒステリックに泣き叫ぶフランシルを見て、切り捨てることに決めた。当主であるエイドリックの言いつけを守れない妻など、お荷物でしかない。
茶会に参加して金になる話を持ってくるならまだしも、ご婦人たちと実のない噂話や愚痴を語るだけなのだ。そのために新しいドレスや装飾品を購入するなど、無駄使い以外のなにものでもなかった。
沸々と込み上げる怒りでエイドリックは険しい表情になっていく。
ガラス張りのサンルームはいろとりどりの花に囲まれ、上品な香りが鼻先を掠めた。いつもならこれで眉間の皺が取れるのだが、今日ばかりはそうはいかない。
「あら、体調はよくなったの?」
「フランシル……お前、私が言ったことを理解していなかったのか?」
「ええ? なによ、そんな怖い顔して」
「私が療養している間は屋敷でおとなしくしいろと言いつけたであろう!!」
「夜会には参加しないでおとなしくしていたでしょう!?」
「毎日のように茶会に出かけていたのに、どこがおとなしいというのだ!?」
エイドリックはヒステリックに泣き叫ぶフランシルを見て、切り捨てることに決めた。当主であるエイドリックの言いつけを守れない妻など、お荷物でしかない。
茶会に参加して金になる話を持ってくるならまだしも、ご婦人たちと実のない噂話や愚痴を語るだけなのだ。そのために新しいドレスや装飾品を購入するなど、無駄使い以外のなにものでもなかった。