天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 人間違いではなかった。アマリリスはその回転の速い頭で考えられる可能性を弾き出す。

(もしかして、さっきのパーティーでやらかしたから捕まった? いや、それくらいなら近衛騎士が出てくることはないわね。それならもしかして、不敬罪? 王族の出席するパーティーでやらかしすぎた!?)

 周りをよく見たら、この騎士の後ろにも同じ制服を着た騎士がふたり控えている。ここで逃げることは難しそうだとアマリリスは観念した。

「失礼いたしました。王都から出られるご様子でしたので、慌てて引き止めてしまいました」
「どういったご用件でしょう。私は自ら犯した失態の責任を取るために、一刻も早く国から出ていきたいのですが」
「申し訳ございません。パーティーでのことはなんの問題もありませんので、このまま私とご一緒願います」
「え? どういうこと……?」

 あれだけダーレンの逆鱗を刺激しまくったのに、問題ないとはどういうことなのかアマリリスがどんなに考えても理解できなかった。

 そもそもロイヤルパープルの騎士たちを動かせる人物なんて王族しかいない。

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