天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
「まずは先ほどのパーティーでの振る舞い、私もルシアンも目にしておった」
「それは大変お見苦しいものをお見せして、誠に申し訳ございませんでした」

 やはりパーティーを騒がした罪で処罰が下されるのだと、アマリリスは落胆した。

(それにしても対応が速すぎるわ。国外追放以外だと、生涯修道院暮らしかしら? それとも危険な鉱山での採掘のお仕事かしら?)

 そんなアマリリスをよそに国王は言葉を続ける。

「そこで其方(そなた)に頼みがある。王太子ルシアンの教育係になってほしい」
「……私、稀代の悪女と呼ばれていますので、なにかの間違いでは?」

 あまりにも突拍子のないことだったので、アマリリスは思わず素で返してしまった。

「いや、その悪女っぷりを見込んでの頼みだ。実はルシアンは優秀ではあるのだが、少々素直すぎるところがあるのだ。貴族同士の嫌味や言葉の裏を読み取るのが苦手でな」
「さようでございますか」

< 29 / 220 >

この作品をシェア

pagetop