天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
それは確かに王族としては弱点になってしまうだろう。臣下が腹の中でなにを考えているのか、まったくわからないのではいつ足元を掬われるかわかったものではない。
そこで今度はルシアンが口を開いた。
「そんな頼りない僕に嫌気が差したみたいで、婚約者に三年間も浮気されていたんだ。先月婚約破棄したばかりで、これからは騙されることなく貴族たちをまとめていきたい。だからアマリリス嬢のような腹黒さを学ぶ必要があると考えた」
「なるほど」
ということは、アマリリスの悪女っぷりが思わぬ方向で認められたということか。これは喜んでいいのか、悲しんでいいのか悩むところである。
「どうか僕の教育係になってもらえないだろうか?」
困ったように眉尻を下げるルシアン殿下は、うっかりイエスと言ってしまいそうなほど麗しく庇護欲をそそる。
「申し訳ございませんが、私ではお役に立てないかと存じます。なにせ悪女のふりをしていただけですので」
アマリリスはすんでのところでこらえて、はっきりとお断りした。
「それは知っているよ。本当に悪女だったらお願いできないからね。アマリリス嬢は前クレバリー侯爵夫妻の第三子で、その頭脳を生かし帳簿と屋敷を管理、伯父一家から虐げられ、今回の騒動を機に隣国へ向かう途中だったと調べがついている」
そこで今度はルシアンが口を開いた。
「そんな頼りない僕に嫌気が差したみたいで、婚約者に三年間も浮気されていたんだ。先月婚約破棄したばかりで、これからは騙されることなく貴族たちをまとめていきたい。だからアマリリス嬢のような腹黒さを学ぶ必要があると考えた」
「なるほど」
ということは、アマリリスの悪女っぷりが思わぬ方向で認められたということか。これは喜んでいいのか、悲しんでいいのか悩むところである。
「どうか僕の教育係になってもらえないだろうか?」
困ったように眉尻を下げるルシアン殿下は、うっかりイエスと言ってしまいそうなほど麗しく庇護欲をそそる。
「申し訳ございませんが、私ではお役に立てないかと存じます。なにせ悪女のふりをしていただけですので」
アマリリスはすんでのところでこらえて、はっきりとお断りした。
「それは知っているよ。本当に悪女だったらお願いできないからね。アマリリス嬢は前クレバリー侯爵夫妻の第三子で、その頭脳を生かし帳簿と屋敷を管理、伯父一家から虐げられ、今回の騒動を機に隣国へ向かう途中だったと調べがついている」