天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
4話 王太子の教育係になりました
「これは王命である」
そのひと言で、アマリリスはノーと言えなくなってしまった。
侯爵家と縁が切れたと思ったら、今度はよりによって王族に捕まってしまうなど、なぜこんな展開になっているのか意味がわからない。
アマリリスが絶句していると納得したと受け止めたのか、ルシアンがニコニコと朗らかな笑顔で口を開いた。
「それで教育を受けるにあたって、どうしても行動をともにする時間が増えると思うんだ。そこでいちいち呼び出していては時間の無駄になるだろうから、こちらで部屋を用意させてもらったよ」
おそらく王城勤務者が暮らす宿舎に、部屋を用意してくれたのだとアマリリスは察した。住むところを探す手間が省けてありがたいが、国内にいると大きな問題が発生してしまう。
「ありがたい申し出ですが、伯父に断りなく出てきておりますので、一度帰らせていただきたいのですが」
「それはこちらで対処しよう。これは王命だとクレバリー侯爵にも伝えれば問題あるまい」
王国最強のトップダウンなら、伯父とて反論できない。王太子の教育係ならエミリオも手を出すのは難しいだろう。アマリリスはようやく、この状況を受け入れる覚悟を決めた。
そのひと言で、アマリリスはノーと言えなくなってしまった。
侯爵家と縁が切れたと思ったら、今度はよりによって王族に捕まってしまうなど、なぜこんな展開になっているのか意味がわからない。
アマリリスが絶句していると納得したと受け止めたのか、ルシアンがニコニコと朗らかな笑顔で口を開いた。
「それで教育を受けるにあたって、どうしても行動をともにする時間が増えると思うんだ。そこでいちいち呼び出していては時間の無駄になるだろうから、こちらで部屋を用意させてもらったよ」
おそらく王城勤務者が暮らす宿舎に、部屋を用意してくれたのだとアマリリスは察した。住むところを探す手間が省けてありがたいが、国内にいると大きな問題が発生してしまう。
「ありがたい申し出ですが、伯父に断りなく出てきておりますので、一度帰らせていただきたいのですが」
「それはこちらで対処しよう。これは王命だとクレバリー侯爵にも伝えれば問題あるまい」
王国最強のトップダウンなら、伯父とて反論できない。王太子の教育係ならエミリオも手を出すのは難しいだろう。アマリリスはようやく、この状況を受け入れる覚悟を決めた。