天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 午後になり、やっとルシアンの政務が落ち着きアマリリスの部屋へと場所を変えた。ここならば、他の貴族がやってくることはほぼないため、腹黒教育に集中できる。

「よろしいですか、まず——」
「あ、その前に。僕は生徒だからルシアンと呼び捨てにしてほしいな」
「いえ、さすがに呼び捨ては無理です……ルシアン様とお呼びしますが、よろしいですか?」
「うん、それでいいよ」

 この申し出を聞いて、形から入るタイプなのだとアマリリスはルシアンを分析した。

 ルシアンがよく着る白系の衣装も似合ってはいるが、今後購入する衣装は黒やグレー、青などの落ち着いた色にしてもらうのもいいかもしれない。そう言った色を身にまとうことによって、色が気持ちに及ぼす効果も取り入れたい。

 気持ちを落ち着かせたり集中力を高めたり、その他にもルシアンが洗練された人物で嘘は通じないと不安感を与える助けになる。

「ルシアン様は相手の言うことを素直に聞きすぎです」
「確かに……そうだと思う」
「これから私が言うことを聞いて、どう感じたのか正直にお話しください」
「わかった」

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