天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
「それはアマリリス先生が婚約破棄されたその日のうちに捕まえたんだ。彼女の悪女の演技が素晴らしくてね。誰にも渡したくなかった」
「いいですね、これなら及第点です。改善の余地はありますが、事実とも異なっておりませんし相手に婚約者候補の正当性も言及できています」
「アマリリス先生に褒められると、やる気が出るね! 次の問題も頼むよ」
ルシアンは嬉しそうに紫水晶の瞳を細める。よほど嬉しいのか頬までうっすら染め上げて、貴族令嬢がいたら卒倒しそうな色気が漂っていた。
アマリリスはそんなルシアンに多少はドキドキとしたものの、すぐに平静を取り戻す。
「では次です。婚約者候補でしかない女と揃いの衣装など、ルシアン殿下の株を下げるだけですわ。若く気高い獅子にふさわしいのは高貴なロイヤルパープルです。私ならどんな色でも着こなしますのに」
(意訳:どこの馬の骨かもしれない女などルシアン様に不釣り合いなので、私を婚約者にしてください)
この台詞に、一瞬でルシアンから凍てつくような視線が放たれる。
「悪いけれど、人を見る目はあるから、僕の選定に間違いはない。アマリリスほど王家のロイヤルパープルが似合う女性はいないよ。それに——」
「いいですね、これなら及第点です。改善の余地はありますが、事実とも異なっておりませんし相手に婚約者候補の正当性も言及できています」
「アマリリス先生に褒められると、やる気が出るね! 次の問題も頼むよ」
ルシアンは嬉しそうに紫水晶の瞳を細める。よほど嬉しいのか頬までうっすら染め上げて、貴族令嬢がいたら卒倒しそうな色気が漂っていた。
アマリリスはそんなルシアンに多少はドキドキとしたものの、すぐに平静を取り戻す。
「では次です。婚約者候補でしかない女と揃いの衣装など、ルシアン殿下の株を下げるだけですわ。若く気高い獅子にふさわしいのは高貴なロイヤルパープルです。私ならどんな色でも着こなしますのに」
(意訳:どこの馬の骨かもしれない女などルシアン様に不釣り合いなので、私を婚約者にしてください)
この台詞に、一瞬でルシアンから凍てつくような視線が放たれる。
「悪いけれど、人を見る目はあるから、僕の選定に間違いはない。アマリリスほど王家のロイヤルパープルが似合う女性はいないよ。それに——」