天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
「ルシアン殿下なら、今のままでも治世に影響がないように思いますが、どうしてここまでして腹黒になりたいのですか?」
「ああ、それはね。姉上たちのためなんだ」
「第一王女レイラ様と第二王女マリアーネ様ですね。フレデルト王国のために他国へ嫁がれたと聞いております」
「うん、祖国から遠く離れた異国で頑張る姉上たちの後ろ盾として、盤石の地位を築きたいんだ」
視線を落としてポツポツと話すルシアンに、アマリリスは自分を重ねてみてしまった。
アマリリスにもかわいがってくれたふたりの兄がいる。問答無用で引き離されたが、いまだに兄に会いたい気持ちが燻っていた。
「貴族の腹の中も読めない僕だけど……笑ってしまうよね?」
「いいえ」
アマリリスは即答した。
「ルシアン様の姉を思う気持ちを笑うわけありません。私にも兄がいて、他国へ養子に出されてから会えておりませんが……それでも兄を慕う気持ちは消えませんもの。ルシアン様の気持ちもお察しいたします」
「アマリリス先生……ありがとう」
ふんわりと微笑むルシアン様は、それは見惚れるような美しさだった。アマリリスはますます腹黒教育に力を入れようと決意を固める。
「ああ、それはね。姉上たちのためなんだ」
「第一王女レイラ様と第二王女マリアーネ様ですね。フレデルト王国のために他国へ嫁がれたと聞いております」
「うん、祖国から遠く離れた異国で頑張る姉上たちの後ろ盾として、盤石の地位を築きたいんだ」
視線を落としてポツポツと話すルシアンに、アマリリスは自分を重ねてみてしまった。
アマリリスにもかわいがってくれたふたりの兄がいる。問答無用で引き離されたが、いまだに兄に会いたい気持ちが燻っていた。
「貴族の腹の中も読めない僕だけど……笑ってしまうよね?」
「いいえ」
アマリリスは即答した。
「ルシアン様の姉を思う気持ちを笑うわけありません。私にも兄がいて、他国へ養子に出されてから会えておりませんが……それでも兄を慕う気持ちは消えませんもの。ルシアン様の気持ちもお察しいたします」
「アマリリス先生……ありがとう」
ふんわりと微笑むルシアン様は、それは見惚れるような美しさだった。アマリリスはますます腹黒教育に力を入れようと決意を固める。