天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
 一週間後には長兄のテオドールが、その三日後には次兄のユアンが養子に出された。エイドリックには後継者となる嫡男エミリオがいたからだ。
 それからアマリリスの生活はガラリと様子が変わる。

 屋敷で一番日当たりのよかった部屋から、使用人でも使わないような物置小屋へ移され、朝から晩まで屋敷の仕事をしろと命じられた。

 屋敷中の掃除や庭の手入れも手伝い、計算ができると知られればエイドリックの政務を手伝うように命じられた。

 面倒な計算のある帳簿の仕事を任され、アマリリスは屋敷の仕事が終わりエイドリックが就寝してから事務仕事をこなした。

 使用人たちはアマリリスを憐れに思い、仕事を軽くしたりこっそりおやつを渡したりして、残された少女を助けた。

 誕生日にはささやかだがお祝いもして、笑顔を浮かべるアマリリスに使用人たちは陰ながら涙した。

 図書室の鍵を管理している家令のケヴィンはこっそりスペアキーを渡して、本が好きなアマリリスのためにいつでも使えるようにしていた。

 兄たちとは離れ離れになったけれど、アマリリスの周りには気にかけてくれる使用人たちがいたから、なんとかやってこれた。

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