天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
アマリリスの頭の中にコマ送りで謁見の時の場面が蘇る。確かに予定が狂ったから、嫌だと思う気持ちが出てしまっていたかもしれない。
「ですが、教育係になれと命令されたのは国王陛下でした」
「うん、アマリリスの反応次第であの場で婚約を申し込むのか、教育係になってもらうのか決めることになっていたんだよ。拒否反応がなければ、僕が先に話しかけてプロポーズする手筈だった」
「だから書類ができていなかった……?」
「その通りだよ」
ルシアンはニコニコと朗らかな笑みを浮かべている。この場にそぐわない笑みに、アマリリスの背中に嫌な汗が伝った。
「あの、ひとつ質問ですが」
「なに? なんでも聞いて」
「ルシアン様は、他人の心が読み取れるのですか?」
「あ、それは本当にわからないんだ。というか興味がないんだよね。必要だから笑顔でいるし、状況によって悲しそうなふりもできるけれど」
「ですが、教育係になれと命令されたのは国王陛下でした」
「うん、アマリリスの反応次第であの場で婚約を申し込むのか、教育係になってもらうのか決めることになっていたんだよ。拒否反応がなければ、僕が先に話しかけてプロポーズする手筈だった」
「だから書類ができていなかった……?」
「その通りだよ」
ルシアンはニコニコと朗らかな笑みを浮かべている。この場にそぐわない笑みに、アマリリスの背中に嫌な汗が伝った。
「あの、ひとつ質問ですが」
「なに? なんでも聞いて」
「ルシアン様は、他人の心が読み取れるのですか?」
「あ、それは本当にわからないんだ。というか興味がないんだよね。必要だから笑顔でいるし、状況によって悲しそうなふりもできるけれど」