天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
しかし公爵夫人として生半可な覚悟で嫁いできたわけではない。愚かな息子に公爵家の未来は託せないのだ。
「ダーレン。貴方がアマリリス嬢と面会したのは年に何度なの?」
「はい、確か……年に一度会うかどうかです。私がどれだけクレバリー侯爵家を訪れても、姿を表すことはありませんでしたので」
「そう。私は年に三度か四度、アマリリスとお茶の時間をとっていたわ。私の呼び出しには応じるのに、クレバリー侯爵家で会えない理由がわからないの。ロベリアはなにか知っているの?」
バックマン公爵夫人はロベリアに鋭い視線を向ける。
「実は……アマリリスがダーレン様とは会いたくないと面会を拒んでいたのです。そこで失礼のないようにわたくしがお相手をしておりました」
「貴方は年上であるアマリリスを呼び捨てにしているのね」
そこでロベリアはハッとして口を噤んだ。
礼儀や作法に厳しい貴族社会で、年上の女性を敬称なしで呼ぶのは躾ができていない証拠なのだ。
お茶会でずっとアマリリスと交流してきたバックマン公爵夫人は、今度こそ自分がこの目で見た事実を信じるのだと固く心に決めている。
「ダーレン。貴方がアマリリス嬢と面会したのは年に何度なの?」
「はい、確か……年に一度会うかどうかです。私がどれだけクレバリー侯爵家を訪れても、姿を表すことはありませんでしたので」
「そう。私は年に三度か四度、アマリリスとお茶の時間をとっていたわ。私の呼び出しには応じるのに、クレバリー侯爵家で会えない理由がわからないの。ロベリアはなにか知っているの?」
バックマン公爵夫人はロベリアに鋭い視線を向ける。
「実は……アマリリスがダーレン様とは会いたくないと面会を拒んでいたのです。そこで失礼のないようにわたくしがお相手をしておりました」
「貴方は年上であるアマリリスを呼び捨てにしているのね」
そこでロベリアはハッとして口を噤んだ。
礼儀や作法に厳しい貴族社会で、年上の女性を敬称なしで呼ぶのは躾ができていない証拠なのだ。
お茶会でずっとアマリリスと交流してきたバックマン公爵夫人は、今度こそ自分がこの目で見た事実を信じるのだと固く心に決めている。