天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
アマリリスは冷静に受け止めるきっかけが欲しくて、まずは事の始まりを聞いてみる。
「ひとつ質問をしてもよろしいですか?」
「ふふ、僕に興味を持ってくれたの? 嬉しいなあ。なんでも聞いて」
「……どうして私なのですか? 他にも見目麗しく貞淑なご令嬢はたくさんおりましたでしょう?」
きょとんとしたルシアンは、ふんわりと微笑んでアマリリスとの出会いを語り始めた。
* * *
アマリリスの出会ったのは十年前、ルシアンが十三歳の時だった。
すでに立太子を済ませたルシアンは、どこへ行ってもご令嬢や貴族たちに囲まれていた。それでも教えてもらった通りの反応を返して、つまらない時間を淡々と過ごした。
生まれてからルシアンがなにかを欲しいと思ったことがない。腹が減れば食事はするが、それだって満腹になるならなんでもよかった。
幸いふたりの姉にもかわいがられ、自分がどう振る舞えば周りが喜ぶのか理解している。そうしておけばさらにかわいがられ、ルシアンのプラスになると計算していた。
「ひとつ質問をしてもよろしいですか?」
「ふふ、僕に興味を持ってくれたの? 嬉しいなあ。なんでも聞いて」
「……どうして私なのですか? 他にも見目麗しく貞淑なご令嬢はたくさんおりましたでしょう?」
きょとんとしたルシアンは、ふんわりと微笑んでアマリリスとの出会いを語り始めた。
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アマリリスの出会ったのは十年前、ルシアンが十三歳の時だった。
すでに立太子を済ませたルシアンは、どこへ行ってもご令嬢や貴族たちに囲まれていた。それでも教えてもらった通りの反応を返して、つまらない時間を淡々と過ごした。
生まれてからルシアンがなにかを欲しいと思ったことがない。腹が減れば食事はするが、それだって満腹になるならなんでもよかった。
幸いふたりの姉にもかわいがられ、自分がどう振る舞えば周りが喜ぶのか理解している。そうしておけばさらにかわいがられ、ルシアンのプラスになると計算していた。