天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
そう言ってカーテシーをするアマリリスは、実に優雅で繊細な所作でルシアンの視線を独占する。そこへこのお茶会の主役でもある従弟のダーレンがやってきた。
『アマリリス! こんなところにいたのか……あ、ルシアン殿下もおいででしたか! ちょうどよかった』
ダーレンは屈託のない笑顔で、アマリリスの手を取り言葉を続ける。アマリリスはほんのりと頬を染めて恥ずかしそうに笑みを浮かべた。
『クレバリー侯爵家の第三子アマリリス。この子が私の婚約者です』
ルシアンの初恋と呼ぶには重すぎる気持ちは、一瞬で悲恋に変わり果てる。
いっそのことダーレンから婚約者を奪うことも考えたが、アマリリスの恥ずかしそうな嬉しそうな笑顔が脳裏から離れなくて、強引なことはできなかった。そうこうしているうちに国王に言われ、ルシアンも婚約を結ぶことになったのだ。
(アマリリスが相手でないなら、誰でも変わらないし……どうでもいい)
それでもアマリリスがどんな様子なのか気になって仕方なく、こっそりと調べていたのだ。その情報が十年後に役に立つとは、当時のルシアンは思っていなかった。
『アマリリス! こんなところにいたのか……あ、ルシアン殿下もおいででしたか! ちょうどよかった』
ダーレンは屈託のない笑顔で、アマリリスの手を取り言葉を続ける。アマリリスはほんのりと頬を染めて恥ずかしそうに笑みを浮かべた。
『クレバリー侯爵家の第三子アマリリス。この子が私の婚約者です』
ルシアンの初恋と呼ぶには重すぎる気持ちは、一瞬で悲恋に変わり果てる。
いっそのことダーレンから婚約者を奪うことも考えたが、アマリリスの恥ずかしそうな嬉しそうな笑顔が脳裏から離れなくて、強引なことはできなかった。そうこうしているうちに国王に言われ、ルシアンも婚約を結ぶことになったのだ。
(アマリリスが相手でないなら、誰でも変わらないし……どうでもいい)
それでもアマリリスがどんな様子なのか気になって仕方なく、こっそりと調べていたのだ。その情報が十年後に役に立つとは、当時のルシアンは思っていなかった。