天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
「……はあ、やっぱりリリス先生には敵わないね。僕は貴女のすべてが欲しいのに、その心が手に入らないなら我慢するしかないよ」
そう言って、ルシアンはようやくアマリリスの上から身体を退ける。何食わぬ顔で起き上がり、アマリリスは乱れた髪を直しながら心の中で絶叫した。
(ちょっと! どうして毎回こんな甘ったるい空気になるのよ!? ねえ、腹黒教育を受けるのでしょう!? ていうか、ルシアン様に腹黒教育なんて必要ある!? ないわよね!?)
そこでアマリリスが気が付いた。
(そうだわ、もう終了認定すればいいのでは……!?)
最近ではルシアンの教育というより、ふたりきりになったらアマリリスが口説かれているだけなのだ。ルシアンは腹黒になる必要はなく、サイコパスのままで十分にやっていける。
そうであれば、国王にそのことを認めさせ早々に教育係を引退すればいい。嫁ぎ先だって、クレバリー侯爵家の使用人の働き口を紹介してくれて、兄を探させてもらえるところならどこでも構わないのだ。
そう言って、ルシアンはようやくアマリリスの上から身体を退ける。何食わぬ顔で起き上がり、アマリリスは乱れた髪を直しながら心の中で絶叫した。
(ちょっと! どうして毎回こんな甘ったるい空気になるのよ!? ねえ、腹黒教育を受けるのでしょう!? ていうか、ルシアン様に腹黒教育なんて必要ある!? ないわよね!?)
そこでアマリリスが気が付いた。
(そうだわ、もう終了認定すればいいのでは……!?)
最近ではルシアンの教育というより、ふたりきりになったらアマリリスが口説かれているだけなのだ。ルシアンは腹黒になる必要はなく、サイコパスのままで十分にやっていける。
そうであれば、国王にそのことを認めさせ早々に教育係を引退すればいい。嫁ぎ先だって、クレバリー侯爵家の使用人の働き口を紹介してくれて、兄を探させてもらえるところならどこでも構わないのだ。