天才悪女は嘘を見破る〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜
「我がフレデルトの若き獅子ルシアン王太子殿下、並びにアマリリス・クレバリー侯爵令嬢のご入場!!」
従者の高らかな宣言とラッパの音色と共に、アマリリスとルシアンは会場へ足を踏み入れる。いっせいに視線が集まり、さまざまな感情をぶつけられた。
(私が婚約者のように扱われるのが納得いかない貴族たちが約半数。三分の一がバックマン公爵夫人の派閥で好意的。残りは私が本当に婚約者となるのか様子見といったところね)
アマリリスはざっと貴族たちの表情を見て敵味方を把握する。ルシアンには相性がよく、かつなるべく敵意を持つ貴族に接してもらい、どのように転がすのか国王陛下に見てもらわなければならない。
「ルシアン様。今日は私がこれから申し上げる貴族たちに挨拶をしていただけますか?」
「わかった。誰から始める?」
「では——」
最初に声をかけたのは北方の領地を収めるミクリーク公爵だ。伝統を重んじる家門で王族に敬意を払う一方、アマリリスのような悪女の噂が立つ令嬢など、どうやっても認めたくない貴族で違いない。
従者の高らかな宣言とラッパの音色と共に、アマリリスとルシアンは会場へ足を踏み入れる。いっせいに視線が集まり、さまざまな感情をぶつけられた。
(私が婚約者のように扱われるのが納得いかない貴族たちが約半数。三分の一がバックマン公爵夫人の派閥で好意的。残りは私が本当に婚約者となるのか様子見といったところね)
アマリリスはざっと貴族たちの表情を見て敵味方を把握する。ルシアンには相性がよく、かつなるべく敵意を持つ貴族に接してもらい、どのように転がすのか国王陛下に見てもらわなければならない。
「ルシアン様。今日は私がこれから申し上げる貴族たちに挨拶をしていただけますか?」
「わかった。誰から始める?」
「では——」
最初に声をかけたのは北方の領地を収めるミクリーク公爵だ。伝統を重んじる家門で王族に敬意を払う一方、アマリリスのような悪女の噂が立つ令嬢など、どうやっても認めたくない貴族で違いない。