青白磁のエンドロール





 交流を楽しんでいる輪の端の端に居つつ、恐らく親しみを持たれるような対応はできておらず、中盤を過ぎた頃に空のグラスを宴会テーブルに静かに乗せると、トイレに立つ素振りを見せ会場を離れた。

 ガッチリ頑丈な扉を開くと、通路を挟んだ向こうに全身が映るような大きさのガラス窓があって、Sグループ指定のジャージを着ている見慣れた自分の姿を映し出す。

 オリンピック選手が着ていそうな白地と紺をカッコ良さげに組み合わせた上着には、Sグループのロゴが縁取られ何より目立つよう背中に大きくプリントされている。






< 10 / 672 >

この作品をシェア

pagetop