青白磁のエンドロール
“守保さん”と呼ばれ笑う彼女は、守保 ちせであり、高校の頃の同級生。別に会えなくても良い、と思っていた人物だった。
“友達”と言えるような関係でもない、同級生。高校の卒業式、校門を出た瞬間、ある意味気まずさを脱することができてホッともしていたのに。
去りながら泣いている友達もいたのに、自分は一度も、古びた校舎を振り返らなかった。
それは、ちせとの微妙な空気から抜け出し、全てをこの場所へ丸ごと置いていきたかったから。