青白磁のエンドロール
片手には、ジェラートのカップを持ったまま。細くて冷たい手首を握り、黙って通りを歩く。
あぁいうの気まずいよな……って苦笑いした方が、楽なのか?
気を取り直して、あれにはもう触れないのが正解か?
スローペースで歩いているつもりだけど、頭の中ではごちゃごちゃ考えながら、自然とちせの腕を握る右掌に熱が集中する。
ふと突き当りの閉店したビルの自動ドアに二人のシルエットが反射して、それは手を繋いでいるかのような影だった。違うのに、思わずビックリしてパッと手を離すと、空気に触れた掌は一気に冷える。