青白磁のエンドロール






 ──きっかけは、高校三年二学期が始まった頃、守保 ちせの体操服が突如なくなったことだった。

 学校指定の体操着を入れる赤い袋は残ったまま、ガッポリ上下中身だけ消えた体操服を最初はワタシモリと二人だけでおかしく思い、校内を探していたようだ。

 二週間、授業時に他のクラスの生徒のゼッケンをつけた体操服を身に着ける守保は、何でもないような顔をしていて、不器用にグローブでボールをキャッチしていた。

 そんなことも知らずに、汗をかきながら運動場の反対側で野球をしていた自分は、もちろん守保との共通点もない。





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