青白磁のエンドロール





 肩まで伸びる黒髪にパーマをかけた独特の風貌、マルオカさんも丸眼鏡をかけてる。私を見るとふわっと笑い、探すようにパンツのポケットにもぞもぞ手を入れた。

「煙草は帰ってからよ、行かないで」

「まだ時間あるけど」

 煙草が大好きなマルオカさんの白くほっそりした腕を、ギュギュッと掴んだマリコさんは、あははと笑いながら更衣室へと消えて行った。

 二人は海辺でカフェを営んでいて、何度か伺ったことがある。マリコさんは紅茶が大好き。いくつも資格を持っており、拘って取り寄せられた紅茶が美味しいんだ。

 一方、マルオカさんはコーヒーが大好き。ひょんなきっかけで出会い、タイプは丸きり違うのに夫婦になってるなんて、未だに不思議なんですよ。

 マリコさんは赤ぶち眼鏡の淵に触れながら、にまっと笑っていた。




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