青白磁のエンドロール






 寒いのに、雪を見ると歩調が自然と遅くなる。子供の頃から、ずっとそう。お昼間よりも空の色が濃いから、雪の白さが際立って綺麗だなぁ……。

 そして砂利道を歩き社員専用の駐車場が見えた頃、後ろから走ってくるような足音が聞こえて、パッと後ろを振り返る。

 無駄にだだっ広くて暗いから、ちょっと怖いと思ったのだ。

「あーお疲れ様です」

 ──なんだ、青鷹君か。

 大きなバッグを肩にかけて軽く走る青鷹君は、近くまで来ると足を止めた。雪の色の白い息を吐き、頭は濡れたまま。





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