青白磁のエンドロール






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 ロマンチックで煌びやかなクリスマスが終わると、一変して年末年始ムードに呆気なく切り替わる瞬間、世間の急激な熱の冷め方に毎年同じ感覚に陥る。

 段々、ただスーパーに行くだけでも人が多くなる。外に出ると、人々が忙しなく動いている。一人の自分が混ざり込むと、空気から浮いているようだった。

 今年残り少ない仕事を、ミスのないよう丁寧を終えると、最終日は休館日にして朝からせっせと大掃除。言うて数時間、終始男女更衣室の300個程のロッカーを磨き上げた。

 いつも皆バラバラの時間に出社・退社をするため、全員での終礼は年に数えるくらい。最後に支配人が軽い挨拶を終えると、今日は動きやすい私服での出社だったから、各々タイミングを見てすぐ館内を後にする。





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