青白磁のエンドロール
まだ自分が入社した頃、ハダマ先生はO街で出会った女性と同棲をしていた。最初の数年は、たまに彼女との話を聞いたり、それこそ写真を見せて貰ったこともあったけれど、縁がなかったんだろうなぁ。最後の方に、ハダマ先生は何度も口にしていた。
「良いお年をお迎え下さい。失礼します」
挨拶をして外に出ると、曇り空でもお昼間で明るい。嬉しいような、ホッとしたような、そうでもないような。
有り余る連休に、予定は青鷹君との大晦日、年越しのみ。
予定自体は、一つ増えたのだ。
ただ、大学の手話サークルの飲み会は、年明け一週間後の週末に決定したため、まだ日も遠いのである。