青白磁のエンドロール
──したら、部屋を出る間際にガチャッと扉が開いて、立っていたのは水泳部のジャージを着た、隣のクラスのサトナカ。
おう、と軽く手を上げて去るつもりだったのに、体操服をギョッとした顔で見るサトナカの明らかに強い視線に、いとも簡単に気づいてしまい、思考が止まりそうになった。
一瞬だけ、めちゃくちゃ焦りを見せ、俺の持っているものに手を伸ばそうとしたはずなのに、不自然に見えぬよう頭を掻く。
「これ? 守保の」
「あぁ、そうなんだ」
疑問に思わずサラッと受け入れる様子のサトナカは、ふつーに笑っている。笑って見せている。