青白磁のエンドロール
第五章 『プリムラ・オブコニカ』
~守保 ちせ~
「ねぇ守保さん、これ見て下さい」
年明けからコタツに潜ってばかりだった訛っていた身体を取り戻すように、仕事中館内をパタパタ動き回る。
数日働いて、土曜日の仕事終わり。
本日はロッカーでちゃんとした私服に着替えて、これからすぐ手話サークルの飲み会へ向かおうと館内を出る寸前で、ジャージ姿のハダマ先生に声をかけられた。
自動ドアで仕切られている玄関、中にいるスタッフたちには、会話が聞こえない。
ハダマ先生と会わなかったクリスマス……似ているのか、関連するような件だろうか。新年も元気いっぱいなハダマ先生は、今日もお姉さんの赤ちゃんの写真を嬉しそうに見せてくれていた。