青白磁のエンドロール





 ちゃんと初めて会話した内容が、これか。

 守保は触れたくないはずの自分の体操服を受け取ると、キュッと口角を上げた。

「いや、こっちこそ役に立てなくて」

「そんなことない。でも、これもせっかく両親が買ってくれた物なのに、必要がなくなる前に捨てるって、ね」

 俺は、勘だけのサトナカのことを話しても良いのだろうか。何の証拠もなく、違っている可能性だってないとも言えない。

 守保のことを思うと、言うべきなのか、黙っているべきなのか。考え始めると結論に辿り着けなくて、多分結構な時間が経った後に名前を呼ばれた。





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