青白磁のエンドロール





 ナチュラルに話すきっかけを掴んだ夕補習終わりの放課後、空き教室のベランダで校庭を眺めながら、守保と話をする。

「南浦君と話すんだねって、今朝コバさんたちから言われたよ」

「コバか。なんか迷惑かけてない?」

「……迷惑とかじゃないけど、まぁ、接点あるように見えないよね」

 女子の輪の中心にいるコバとは、何かと関わりがある。コバと真逆の立ち位置にいる守保は小さく笑って、残暑の夕日により赤く焼けているような運動場を見ている。

 嘘の噂は部内でさえ広がることなく、当たり前にある変わらぬ日常を過ごしているけど、自分は守保と苦しい出来事でも、大きな事実を共有しているような気になっていた。





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