青白磁のエンドロール







 泣きたいのに、涙は出なくて笑えるのは何故だろう。変だ。

「ちせさん、どしたー」

 駐輪場の端をトボトボ歩いていると、タロウ君に声をかけられた。

「何もないよ」

「あやしーなー。俺には分かる、ちせさんの笑い方だよ」

「えぇホントかなぁ」

「親同士も仲良いから、断言できる」

「えぇ今それ関係あるかなぁ」

 無駄に明るいタロウ君と一緒にバスで帰る間は、タロウ君が笑わせてくれたけれど、帰って振り返ると気持ちが沈んで嫌になる。

 それでもすぐに笑えるのは、おかしいな……。






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