青白磁のエンドロール





「南浦君、本当ありがとうね」

「いや、俺は」

「ううん、ありがとう」

 ニコッと口角を上げて微笑む守保と目を合わせて暫く、通りかかった教室で別れると部活へ向かう。

「またな」

「うん、また」

 大学受験も迫り放課後は夕補習もあるけど、引退しても“部活”だと言ってプールを利用する三年。正直目を奪われような記録を残すことができなくても、泳ぐことは息をすることのように身近にあるもの。





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