青白磁のエンドロール





「ちせ、このケーキは……もはやチーズだ」

「えぇ気になる」

「食べてみて、美味しいよ」

「ホントだ、嘘じゃなかった」

 二人で笑い、トロみのあるチーズドリンクを飲んだらまた驚いて、一緒に笑った。

 駅からのんびり歩いて十分。路地裏のビル、地下階段を下りると辿り着いたお店の扉がもう、物語の始まりを予感させるかのようなアンティークで素敵だった。

 少し照明を落とした店内、店主好みで飾られるお洒落なオブジェや雑貨たち。長い間海外のパティスリーに勤めていた渋い店主さんが、他のお客さんに尋ねられると、楽しい小話も加えて丁寧にケーキの説明をしていた。





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