青白磁のエンドロール








 小さなカフェスペースは、全て席が埋まっている。運良くするりと入れて良かったな。

「ていうか、今日……ちせ、雰囲気違うよな」

「……洋服?」

「うん、見たことない感じだから」

「え……っと、可愛いファッションの方が喜ばれるかなって……違ったかな」

「えっ喜ばせるために……。いや、うん、可愛いよ。めちゃくちゃ可愛い」

 赤っぽいオレンジのニットに、茶色に花柄のロングスカート。O街のショッピングモールで、華やかな店員さんにアドバイスを受けて購入した。普段可愛らしい女の子っぽいワンピースやスカートを着たりしないから、ムズムズしながらアパートを出てきたのだ。













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