青白磁のエンドロール





 いろんな話をしたくて久々に放課後ちせを呼び止めると、何度も並んだ空き教室のベランダから、もうすぐ見なくなる部活で賑やかな運動場を二人で眺める。

 この地を離れる喜びと、離れても、ちせと関わることが可能な距離にいられる。


 大学違っても、たまには──


「南浦君、もう大丈夫だよ」


 言いたいことはあったのに、ちせはいつものように笑って、こっちが何かを言う前にもう大丈夫って手を振った。

「本当に、南浦君がいてくれて良かった」






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