青白磁のエンドロール





 はぁもう、生徒か、不安になるような言い方をして。職場の人じゃなかったら、笑って倍睨むわ。

「宇宙で一番大好きな人、ですって」

 相手は幼稚園生、しかも女の子だ。ちせはたまたま話さなかっただけだろう。

 それにしても、宇宙一、そりゃすごいな。

「南浦先生、顔。恐い顔で睨まないで下さいよ、笑顔にしたくて話したのに」

 にこやかなハダマ先生に笑顔を取り戻しつつ、ロビーの長椅子を掃除するちせと目が合ったが自然に逸らされる。職場の守保さんの、いつも通りの対応だ。

 しかし無性に話がしたくて、仕事を終えた夜にちせと電話をした。







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