青白磁のエンドロール
『エピローグ』
「青鷹君、今日はちゃんと話したいことが……」
ホワイトデー旅行から一年後、三月初旬。
いつものように部屋に遊びに来たちせが、一緒にコタツに入ってすぐに、切り出した。
「私、異動が決定したんだ」
「ちょっその冗談は、もう……」
一年前の旅行で、異動を匂わせ笑ったちせが、今は笑っていない。
「……マジ?」
「……うん、四月から。あ、でもね」
更に続けるちせの異動先が、車で一時間もかからないY街支店。俺の地元でもあるY街だった。
「通える距離だから、引っ越すつもりないんだ」