青白磁のエンドロール
卒業まで、サトナカとちせのことは考えていたのに、こちらから尋ねることができず、ちせも何も言って来なかった。いやあっても……言って来れないだろう。
俺は優しく突き放したちせを、仕返すように鋭く拒絶した。
本当に、善意で助けたつもりだったのに、見当違いの見返りを求めて、最悪な人間だな。
三月の卒業式が終わって、ちせの顔を意識的に見らず煩い仲間とわざとはしゃいでいるうちに、ちせはいなくなっていた。
急に悲しくなって辺りをキョロキョロ見た渡すけど、ちせはもうどこにもいない。
そのまま何でもない顔をして仲間と下駄箱まで行くと、黄色い枠線のみのシンプルな一枚のメッセージカードが、ひっそり端に立てかけられていた。
“青鷹君、ごめんね。元気でね”。