青白磁のエンドロール





 もう、会えないならば、考えたくない。

 ちせが……違う場所で笑っている姿を強く願うけど、校舎を出たらもう考えない。

 去りながら泣いている友達もいたのに、自分は一度も、古びた校舎を振り返らなかった。

 全てをこの場所へ、丸ごと置いていきたかったから。




 でも本当は、泣きたいくらい悲しかった。

 もう、元には戻れない。









 ずっと──


 戻れるはずもなかった。






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