青白磁のエンドロール




*

 頭痛のするどんよりした寝起き、ホテル一階の朝食バイキングに行かず、ギリギリの時間に講習を受けに行った。

 同じジャージを着た社員が150名以上もいるから、パッとちせを見つけれるはずもなく、できればもう姿を確かめたくないのが正直な気持ちである。

 この会場のどこかで、ちせは笑っている。

 俺がいるって、知らないんだろうな。

 分かった所で何もないけど、あっちだって自分のことを認識したくないはず。

 ちせに意識を引っ張られてはいけない。この場には、ちせを避けに来たわけじゃない。





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