青白磁のエンドロール





 どうして、ただ期間限定の箱の中をちょろちょろ動き回っているだけなのに、あの子は世界の中心は自分で回っていると信じているのだろう。

 閉鎖的な空間だけで主導権を握って、人を詰るのは恥ずかしくないのだろう。

 ちょっとおかしいな。いや、だいぶ変じゃない? って、思うことはあっても、口に出す人なんていないし、自分なんかが言ったらまぁ普通に虐めっぽいものにじわじわ繋がるんだと思う。

 『笑ってるだけで、良い人ぶってる』

 たまに陰口を叩かれ知っていても、傷つく顔を見せずに笑顔でいるのが、当時一番の反抗だと思っていた。

 私は、出口のなかったあの六年間分の箱が……最初から最後まで嫌いだった。





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