青白磁のエンドロール





 ──のにも関わらず。

 午後六時を過ぎ、引き継いで打刻を終えると、とても小さなロッカーでジャージを脱ぎセーターに袖を通す。下は足首までのジャージのまま、寄る所もないし車でものの数分で住んでいる場所にも着く。

「お先に失礼します」

「お疲れ様でーす」

 事務所にいた監視役のコーチに笑顔を返され、カボチャのビスケットを一袋買って自動ドアの外に出ると、ピュウッと秋風を受け肌寒さを感じた。

 館内はいつも暖かいし、冬でも半袖のポロシャツで過ごすこともあるくらい。乾燥室なんてビックリするくらい暑いから、外との温度差がすごいのだ。





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