青白磁のエンドロール
遅刻も何もないんだし、ゆっくり歩こう。
ジャリ、ジャリ。
やたらのんびりゆっつら車に近付いていると、すみません。と、ふと後ろから声をかけられた。
スッと通るハッキリした声。
何かお尋ねだろうか。自分に対する声かけだってすぐに分かって、考える間もなく振り返る。
「十一月から新しく勤務します、南浦です」
顔を見る前に挨拶をされ、名前を言われた後に目を合わせると、衝撃的な人物が立っていて、一瞬見間違いかリアルに目を擦った。