青白磁のエンドロール





「それじゃあ、また」

 あっちが先に切り出して、お互い頭を下げると、彼は緊張なさげに館内に入ってゆく。

 Sグループのジャージを着ているけれど、あの頃と変わらない大きな後姿。

 もう、会うこと……ないって思ってた。

 確かにガッツリ水泳してたよね、でも、同じ職場で働くっていう予想までつかずに、相手はいきなり現れた。

 かなり気まずい離れ方をしてしまった人。

 でも、息が詰まりそうだった箱の中で、助けてくれた青鷹君と、もう一度交わる未来が待っていた。





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