青白磁のエンドロール





 開館後、様々な会員さんから物珍しげに声をかけられる青鷹君は、感じ良く受け答えをしていて、事務所では他のコーチたちともスラスラ話をしている。

 同じ会社とは言えど、店舗が違えば覚えることばかりで、とても大変であろう。

 成人コースの指導にも入るようだし、ベビー・園児・ジュニアコースには計500名以上の子供たちがいる。

 転勤かぁ……正社員だとフロントでも可能性あるけれど、私もいつか海辺の街を離れ、違う場所へ行くこともあるのかな。

 水着でプールに入ったり、監視に行ったり、事務所で説明を受けたり、一日中誰かの横で熱心に話を聞く青鷹君と目が合うことはなく、夕方打刻を終えると静かに館内を出てきた。




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