青白磁のエンドロール





「先生さよならー」

「さよなら、気を付けてねー」

 フロントの自分のことも“先生”と呼ぶ、小学生の女の子がピンクのランドセルを背負ったまま駐車場目掛けて走って行き、転ばないか……とヒヤヒヤ見守る。

 思い返すと、子供の頃にした怪我は痛いものばかりなのに、当時は怪我をするのが怖いって考えたことなかったや。わんわん泣いたりすることもあるのにね。

 ぴょんぴょん飛びながら走る小さな背中を眺めながら歩きつつ……一度だけ、青鷹君がいるはずの館内を振り返る、そしたらタイミングよく本人が外に出ていたではないか。





< 97 / 672 >

この作品をシェア

pagetop