青白磁のエンドロール




 Sグループのジャージは着ていない。黒いキャップに全身黒っぽい私服を身に着けている。朝一から入っていたらしいし、彼も帰る所だろうか。

 距離はあっても目線が合っているから、一応頭を下げて去るつもりでいると、青鷹君は明らかにこっちに向かって近付いてくる。間違いない。

 そして、焦る間もなく目の前まで来た青鷹君は、私を見下ろして一度目を逸らした。

「さすがに聞きたいんだけど」

 ふい、と顔を背ける様子が、ようやく以前の青鷹君を連想させた。

「高校……一緒だったよな?」





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