アラフィフ・ララバイ
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「で、結局お母さんは大丈夫だったの?」
詩織さんは心配を通り越して少し怒ったような顔で尋ねる。
「それがね……」
*************
ホールのロビーの奥に、スタッフ関係者以外立ち入り禁止の札がかけられた部屋があり、そこに私たち二人は通された。
八畳ほどの広さのフローリングの角に三人掛けの黒いソファーが一つ。
真ん中にはテーブルと椅子が四つ並べられただけの簡素な部屋。
華やかなロビーとはある意味別次元の空間。
母は、すぐにソファーに横にならせてもらう。
痛みは定期的に襲ってくるようで、しばらくは様子を見ることにした。
冴木さんは、部屋に設置された戸棚からブランケットを取り出し、母の肩にそっと掛けると腕時計に目をやる。
「しばらくこちらでお休みください。私は少し仕事場に戻ります。何かありましたら、すぐ外にいるスタッフにお声かけ下さい」
「はい!ありがとうございました!」
私はペコリと頭を下げた。
うわー。なんてイケメンの上に親切な男性なんだ。
あんなに優しく接してくれるイケメンなんてご無沙汰だったから、母よりもそちらに感動していた。
違う違う。
「お母さん、どう?」
冴木さんが部屋を出ていくとすぐに母の横に座る。
「少しましになってきたよ。この近くにトイレあるかい?」
「トイレ?」
「で、結局お母さんは大丈夫だったの?」
詩織さんは心配を通り越して少し怒ったような顔で尋ねる。
「それがね……」
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ホールのロビーの奥に、スタッフ関係者以外立ち入り禁止の札がかけられた部屋があり、そこに私たち二人は通された。
八畳ほどの広さのフローリングの角に三人掛けの黒いソファーが一つ。
真ん中にはテーブルと椅子が四つ並べられただけの簡素な部屋。
華やかなロビーとはある意味別次元の空間。
母は、すぐにソファーに横にならせてもらう。
痛みは定期的に襲ってくるようで、しばらくは様子を見ることにした。
冴木さんは、部屋に設置された戸棚からブランケットを取り出し、母の肩にそっと掛けると腕時計に目をやる。
「しばらくこちらでお休みください。私は少し仕事場に戻ります。何かありましたら、すぐ外にいるスタッフにお声かけ下さい」
「はい!ありがとうございました!」
私はペコリと頭を下げた。
うわー。なんてイケメンの上に親切な男性なんだ。
あんなに優しく接してくれるイケメンなんてご無沙汰だったから、母よりもそちらに感動していた。
違う違う。
「お母さん、どう?」
冴木さんが部屋を出ていくとすぐに母の横に座る。
「少しましになってきたよ。この近くにトイレあるかい?」
「トイレ?」