お題は、大好きな人
番外編
あの体育祭から、1ヶ月
あの後すぐは学校のどこを歩いていても、
体育祭の子だ、珠洲島の子だという声が聞こえてきて
少し恥ずかしかったけど、それも落ち着いてきた頃
環先輩は
すっごく甘い
放課後はいつも下駄箱で待ち合わせをして帰って、
本屋さんや、図書館、環先輩の好きな抹茶のパフェを食べに行ったりしているんだけど
どこへ行くにも手を繋いでいるし、電車を待っている間は後ろから抱きしめられる
みかけによらず大胆なところがあって
周りにたくさん人がいても照れずにそういうことをするから
環先輩といる時はずっとドキドキしている
水曜日以外に環先輩と一緒にいられる、それがすごく嬉しくて毎日わくわくしてしまう
そして今日は付き合い始めてから、最初の図書委員のお仕事がある日
なんだか、あらためて図書室で先輩と会うのは少し恥ずかしい
いつものように、早めに図書室に行き、
環先輩が来るのを待つ
「さくらちゃん、おはよう」
「おはようございます」
「なんか緊張してる?」
「わかります?なんか、先輩と改めて図書室で会うのちょっと緊張しちゃって」
「ふふ、なんでよ」
いつものように、私の右側に座る先輩
そのまま突っ伏すかと思えば、こっちを見ている
「どうしたんですか?」
「さくらちゃんさ、いつから僕のこと好きだったの〜?」
環先輩はこうしてド直球にストレートを投げてくるからびっくりする
「そうですねぇ、、初めて会った時からですかね」
言っていて恥ずかしくなってきて思わず反対側を向いてしまう
反応がなくて不安になり、右を見ると
「うわっ、近いですよ先輩!」
目の前に環先輩の顔が
「ね、僕たちずっと両想いだったみたい、ずいぶん遠回りしちゃったね」