キス、しよっか?
「でも、嫌いなものは嫌い〜‼︎」
そう言って、机にぐでーっと顔を付けると。
「あははっ、結音。ほっ、ほら久門先生の、
〝おす〟ぐりってまとめるの、私は、好き、」
久門先生をフォロー?しようと、
必死な杏里ちゃんの声が聞こえてきた。
「成績含めて、接点ないし、
正反対の2人をまとめるとか〝変〟じゃん!」
そう言って顔を上げると。
相変わらず、
苦笑いしたような表情の杏里ちゃん。
杏里ちゃんは、いつもそうだ。
高校に入学してからずっと、
私たちの、国語担当の久門先生。
そんな久門先生のことを話すとき、
杏里ちゃんは、いつも決まって苦笑い。