キス、しよっか?
***
「..................」
「結音?」
「..................」
「ゆーね?」
学校から帰ってからも、ボーッとして、
考えるのは杏里ちゃんのことばかり。
私が今いるのが、
村主くんの家だということも忘れて。
ただひたすら、ボーッとしていると。
「..................ひゃっ、!?」
突然、耳元に生暖かい風を感じて。
思わず、変な声が出てしまった。
何が起きたのかな?と思って、
周りを見ると、村主くんと視線がぶつかる。
そして...........................
「結音、なんか考えごと?」
──────ギュッと私の手を握りながら、
問いかけてくる村主くんの優しい声。